【4】御伽の国、アトランティスの聖なるキャバクラの物語
容易に想像つきますように、「なんとかエマと結婚したい」そんな男性がキャバクラ『ホワイトマウンテン』に列をなしました。
大富豪や政治家、有名な芸術家、果てはオリオン星の王までもが求婚の為、予約半年待ちのエマを予約しホワイトマウンテンを訪れました。
もはやエマ教でもつくれそうなエマは各方面から様々な儲け話や勧誘を受け、その度に
「ワシゃキャバ嬢や」
と断り続けました。
そんな折、アトランティスの国王、つまりエマの住むレムリア国の敵にあたる、アトランティス国のトップから予約が入ったのです。
レムリア国の住民たちは、基本的には平和主義者でしたが、当時のアトランティス国の世界を巻き込む勝手ぶりは、さすがに許せないと思う者も多数いました。
そんな中のアトランティス国王の来訪はレムリア国に様々な憶測や混乱を呼びました。
ホワイトマウンテンは、アトランティス国王の予約を受けるべきでない、そんな嘆願書がレムリア国王に提出もされ、いよいよエマはレムリア国王と対談する運びとなりました。
エマはもちろん、レムリア国王はクニトコタチを追いやった不満分子側の魂であり、アトランティス国王が我が仲間である、という事を理解していました。
「まぁスパイ合戦みたいなモンや」
私達がスパイものの映画や「犯人はまさかのあの人」といったミステリーが好きなのは、もしかしたら神世もそんなものだからかも知れませんね。
日本近隣の海底にはピラミッドが存在している、と言われます。
エマとレムリア国王はそのピラミッドで会談を行いました。
レムリア国王の提案は至って政治の通例、
「私は民意を受けて必死にエマを説得した、しかしながらイケイケのエマがそれを断りアトランティス国王の予約を受けた」
そうして欲しいというものでした。
レムリア国王としては、アトランティス国王の予約をエマが受ける事で世界にレムリアの力を見せる、アピールする事ができる、という狙いもありました。
エマがレムリア国王につきつけたアトランティス国王の予約を受け接客する条件はひとつ
「罪の無い魚や動物を食うな、とは言わない。ただし、頂きますとご馳走様は言わなアカン。言わなかった者は罰金という法律を新設してほしい」
というものでした。
0コメント